予防と改善

食の見直し

代謝のシステム全体を正す食事とはどのようなものでしょうか。日本人の糖尿病患者が増え始めたのは1970年代以降のことです。がその少し前からお米の消費量が減少しています。「糖質の主な供給源であるお米の消費量が減っているのに、糖尿病が増えるのはおかしい」と思うかもしれませんが、糖質は糖尿病の人にとっても非常に大切な栄養素であり、お米はその供給源としてとても優れているのです。


糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素の中で、人間がエネルギーとして最も活用しているのが糖質です。糖質は体内で蓄えることができないので3度の食事でしっかり補給しなければなりません。ご飯などの炭水化物は、たくさんの糖が結合してできた多糖類です。


一方、お菓子や甘い飲み物などに含まれている糖分は単等類です。単等類は小腸での吸収が早く、急激に血糖値を上昇させるため、注意して摂取する必要があります。そして多糖類は体内でゆっくり分解されるので血糖値の急上昇が起こりにくいです。日本人の代謝のシステムは長い歴史の中で米食を基本として作られてきました。消化に時間がかかるため欧米人より腸が長いのもそのためです。脂肪が少なく、副栄養素が多種類含まれ、粒食であるためよく噛む必要がありそれが満腹中枢を刺激して食べ過ぎを抑える効果もあります。このように米食は日本人の体質によく合います。


それでは副食であるおかずを見ていきましょう。副食も従来の魚や大豆製品から肉や乳製品を中心とした欧米食が多く食べられるようになりました。欧米では主食や副食といった考えはなくパンなども肉料理やスープなどのメインディッシュをおいしく食べるための添え物にしかすぎません。


ところが日本では欧米食を「おかず」として取り入れてしまったため、主食のご飯に加えて「おかず」として欧米食のメインディッシュまで食べるようになったのです。これではエネルギー過多になり、肥満や糖尿病を引き起こしてしまったのは当然だと考えられます。魚や大豆製品、野菜を中心としたおかずは糖尿病の人に欠かせない栄養素が豊富です。糖尿病の予防と改善という面から見れば和食に勝るものはないでしょう。